レントより遅く~La plus que lente

音楽や昭和の思い出などを中心に日々の暮らしをつづります。

YOU

お茶の間ライトファンの私なんかが購入して
いいもんかな~と引け目を感じつつも、
この1か月ですっかりガチファンに仕上がった感もあるし、
春馬くんも多くの人に作品を聴いてもらえた方が
嬉しいかなと思い、Night Diverの初回限定版DVDを購入。

この中に収録されているファーストシングルのカップリング曲
「YOU」のアコースティックバージョンのスタジオセッションが
素晴らしい出来栄えで鳥肌ものでございました。

これ、多くの人に観て欲しいー。
鍵盤をJazztronikの野崎さんが弾いてるんだけど、
ムーディでとっても良い。そしてやっぱ俳優さんだから
楽曲の世界観を表現する力がありあまりまくりです。
歌っている最中に耳を触るだけでこんなかっこいい人
いるのか~って衝撃でしたわ。なんか昭和な感じのスタジオ備え付けみたいな
マイクで歌っているのにそのマイクの扱い方もすごく色っぽい。。。なぜそんな
風にできるの!?色気ってほんと持って生まれた才能よね(しみじみ)。

 

曲は恋の歌だけど、こうなってしまったから
思うのかもだけど、もはや男女の性愛的なものは春馬くんからは
まったく感じられず(顔はほっそりかなりやつれ気味だし。。涙)、
寂しげな横顔はどこか遠くに消えていってしまいそうで、
サビは春馬くんの魂の叫びのように感じられてしまい、
泣けて泣けて。。。。

 

いやー、もうほんと、この子は将来きっと時代劇で活躍するだろな~
とか思っていたあの元気な可愛い男の子に10年後こんなに泣かされる
ことになるとは。。。


とにかくこのアコースティックスタジオセッションは地上波で放映して欲しいなぁ。
ファンが激増するんじゃないかと思うんだけど。
自死だと追悼番組とかもできないんだろうか。。。口惜しいなぁ。。。

 

 

 

Stand By You

2020年は忘れられない年になりそうだ。
ここ1か月、俳優の三浦春馬くんについて
あれこれ思いを馳せている。
といっても私はライトなお茶の間ファンにしか過ぎず、
春馬くんは柳楽優弥くんと並び実力派の若手俳優さんで
好感度の高い人。ぐらいの認識だった。

 

私が初めて彼を認識したのは「サムライハイスクール」という
青春ドラマだった。春馬くんは今時の少しヘタレな男子高校生と
真田の家臣(←うろ覚え)だった侍との一人二役を見事なまでに演じ切っていた。
すごく才能のある男の子が現れたな~。絶対将来大河ドラマのお仕事の
オファーがこの子にはくるに違いないと思った。

 

その後、篠原涼子との恋愛ドラマ「ラストシンデレラ」とALSという難病に冒されながら前向きに生きようとする青年と彼を支える周囲の人たちを描いた
「僕がいた時間」の2本のドラマを観た。
恋愛ドラマも良かったけど「僕がいた時間」というドラマは
私がこれまでの人生で観てきた数多くのドラマの中でも上位に
ランキングする素晴らしい作品だった。
あのドラマ1本だけでも彼がこの世に生まれてきた意味があったと言えるくらい
の出来だと思うのでまだ未見の人はぜひ見て欲しい。

 

近年は舞台のほうに活躍の場を移していたそうだけど、
ミュージカルなどの方面に明るくないので彼の死後初めて彼が
多くの努力の末、歌に踊りにお芝居に実力をつけていっていたことを知った。

今回の訃報には本当に驚いたし、実力派の春馬くんは若さだけが取り柄の
男性タレントとは違い、オヤジになっても時代劇などで渋い演技を見せて活躍するのだろう、末永く彼のお芝居が観られるだろうと思っていたから残念でならなかったし、
美貌や才能にあふれ、いま現在のお仕事も順調で将来だって明るい彼に
何があったのか少しでも理解したいと彼のこれまでのインタビュー記事を読んだり
動画を観たりした。

そこから浮かび上がってきたのは痛ましいくらい真面目に高見を目指す一人の孤高な芸術家の姿だった。(彼は自分の仕事をサービス産業と謙虚に言っていたけど、誰よりアーティストだと思う)
こんな俳優さんが現代の日本の芸能界に存在していたことに心底驚いた。

また、アーティストとして必要な気難しい面を持ちながら時にお茶目で可愛らしかったり、周囲にものすごく気を遣う優しい人柄だけど、時折負けん気が強そうな一面を見せたり、壊れてしまいそうな繊細な面も持っていたりと役柄によって別人に見えるビジュアルと同じくらい内面も多面的で本当に魅力的な俳優であり男性だと思う。

ビジュアルもアジアで一番美しい俳優といっても過言ではないだろう。20代前半の儚げな中性的な美しさも20代後半の男らしい色気が出てきた少し憂いのある外見もすべてが美しい。
彼ならアラン・ドロントニー・レオン、ダニエルデイルイスなどにも負けないくらいの仕事ができたのではなかろうか。
個人的には三島由紀夫の「春の雪」を春馬くんでリメイクして欲しかったし、
イリアム・ハートが演じた「蜘蛛女のキス」のモリーナを演じて欲しかった。
悪役も似合ったと思う。クリエイターの創造力を掻き立てるタイプの役者さんだと思うなぁ。美貌と実力と高潔な精神(でもチャーミングで天然)。こんなすべて揃ったアーティストは今後出てこないよおまけに歌も踊りも殺陣もできて。彼は不世出のスターだった。本当に惜しい人を亡くしたと思う。

 

彼の身に何が起こったのかは私なんぞには知る由もないけど、少なくとも9月から始まるドラマの予告動画を観る限り、自粛明けから急激に痩せているし、どうしてマネージメントは彼のケアをしなかったのか甚だ疑問だ。
彼はインタビューなどでも気分が落ち込みやすいと語るなど、昔からSOS発信はしていたと思う。ましてや今回は激やせまでしているのに。。。
あんなに真摯に生きてきた人に、心から親身になってくれる人、ひっぱたいて
でも病院に連れていってくれる人が1人もいなかったのかと思うと辛い。
複雑な性格だから恋人と長続きすることが難しかっただろうけど、たった一人でも心から頼れる人が側に居てくれたらな。。

 

長くなってしまったのでそろそろ締めたいけど(といってもこのブログ誰も読まないけど笑)、彼の死をここまで引きずってしまうのは、もちろん才能豊かで心優しく謙虚で美しい若い俳優さんの死、それだけでも十分痛ましく悲しい出来事なんだけど、日本、とくに日本の芸能界やマスコミがすっかり内側から腐っていて、真面目で優しい人や日本を愛する人が報われない世界に心底落胆してしまったからだと思う。春馬くんは愛国心をオープンにしていたし、「永遠の0」に出演後は毎年靖国神社を参拝していたとのこと。
彼は純粋に自分の国が好きで、中国や韓国ともお互い思いやりの心を持ち、親しくしたいと考えていただけであろうに。自分の生まれた国を好きで一体何が悪いというのだろう。言いたいことも言えない、三浦春馬がこんな風に去っていかざるをえなかったこの世界に絶望する。

本当のことはわからないけど、複雑なご家庭だったようだし、小さい頃から魑魅魍魎が跋扈する世界で1人闘って散って。。
私にできることは何もないけれど、せめて彼が身を削って残していってくれた作品を大事に観賞し、まるで泥中の蓮のように生ききった彼のことをいつまでも忘れないでおこうと思う。

 

 

 

小曽根真さんの円熟と進化

不要不急の外出を控えている。
暇である。

良いチャンスなのでこういう時こそ語学学習や読書など自己研鑽に時間を費やそうなどと思ってみても、子どもの頃、夏休みの宿題を毎年懲りずに8月31日に慌ててやっていたような人間の私にできるわけもなく、気がつけば暇である。

そりゃアンネ・フランクも日記書くよね~と深く納得し、私も今更ながらブログを始めることにしました。
(思い立ったのは4月上旬ですが、すでにGWも終わり、自粛も解除されそうな頃ようやく始めるところが私らしい…。)

 

それにしても今回のコロナ禍ではいろいろなことが白日の下にさらされてしまった感がある。東京や埼玉の医療崩壊、学校のオンライン授業への環境整備不足、何より政治家のお粗末な対応ぶり。薄々感じていたけれど、知らないうちに日本は相当な後進国になっていたんだなと改めて思い知らされた。今回のコロナショックを逆手にとり、IT化を含めて何周遅れかになってしまっている状況を打破しないと日本はこの先とんでもないことになってしまうのではないだろうか。

 

とはいえ、新型コロナ軟禁生活の中でも素敵な出来事はたくさんあった。久しぶりにたっぷりテレビ番組を視聴する時間があったわけだが、NHKの番組に出演していたフランスの経済学者ジャック・アタリ氏のメッセージや第一勧銀信用組合の新田信行氏の志にはとても感動した。お二人についてはまた後日ご紹介する予定だが、今日書きたいのはピアニストの小曽根真さんが4月9日から毎晩ご自宅から配信してくださっているライブ演奏の素晴らしさについて。

アップテンポなものからバラード、クラシックナンバーを素敵にジャズアレンジしたもの等々、毎晩あっという間の1時間である。小曽根さんの人柄がそのまま映し出されたような温かくそして美しいピアノの音色。久しく小曽根さんのライブに足を運んでいなかったが、その円熟味の増し増しっぷりに良い年のとり方をしていらっしゃるなぁと心から憧れます。毎日大体6000名の人たちが視聴しており、一緒に聴いている人たちのコメントを読みながら聴けるのも楽しい。また、小曽根さんの妻で女優の三鈴さん、愛猫のメイちゃんたちとの微笑ましい絡みがこのライブの“特別感”を良い感じに仕上げてくれています。

 

実は今から20年くらい前に仕事で小曽根さんに一度だけお会いしたことがあるのですが、その時に「妻は僕を変えてくれた人」とおっしゃっていたのです。今も変わらず奥様のことを深く愛していらっしゃることが伝わってきてこちらまでハッピーな気持ちになります。今夜も素敵な演奏をありがとうございました。明日もよろしくお願いします♪